★2023年のページ


2023年11月24日

自民党の憲法改正草案と比べてみよう!(第1条)

11・5吉江先生の憲法学習会より(4)

  次に第1章の「第1条」天皇の条項を比べてみましょう。

<二つの比較> 

 

現行の日本国憲法(1947年5月3日施行)

 

 第1条 

 

天皇は、日本国の象徴であり日本国民統合の象徴であって、この地位は、主権の存する日本国民の総意に基づく。

 

 

自民党による憲法改正草案(2012年)

 

 第1条 

 

天皇は、日本国の元首であり日本国及び日本国民統合の象徴であって、その地位は、主権の存する日本国民の総意に基づく。


★「元首」って何でしょう(・・?)

 百科事典マイペディアによると・・・「国の首長。国内的には統治権,少なくとも行政権を掌握し,対外的には国を代表する権能をもつ。通常,条約締結,外交使節の任免・接受,軍隊の統帥などの権能をもつ。」とあります。

 

先の戦争(第二次世界大戦)では「大日本帝国憲法(明治憲法)」のもとで、天皇を「元首」にして軍の統帥権を持たせ、政治権力に利用した歴史があります。

 

その反省からできた現憲法では「元首」ではなく「象徴天皇」となりました。

(天皇は政治権力を持たず、主権者である国民の「象徴」として国事行事のみを行う役割となりました)

 

もともと元首という語の定義も明確ではなく、国の統治者という意味合いも現在では形式的・儀礼的となってきたようです。

それでも「国の第一人者」という意味があり、「元首」とわざわざ表現することで天皇に権限を持たせ、政治的に利用しようとする意図があるといえます。

 


2023年12月11日

☆11・5吉江先生の憲法学習会より(5)

自民党の憲法改正草案と比べてみよう!(第9条

次は、第2章の「第9条」を見比べましょう!

自民党の改憲の一番の目的は、9条を変えることにあると言われています。

 

 

 

<二つの比較> 

 

 

現行の日本国憲法(1947年5月3日施行)

 

第2章 戦争の放棄

 

第9条  日本国民は、正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求し、国権の発動たる戦争と、武力による威嚇又は武力の行使は、 国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する。

 

 2 前項の目的を達するため、陸海空軍その他の戦力は、これを保持 しない国の交戦権は、これを認めない

 

 

 

 

 

 

 自民党による憲法改正草案(2012年)

 

第2章 安全保障

 

(平和主義)

第9条  日本国民は、正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求し、国権の発動としての戦争を放棄し、武力による威嚇及び武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては用いない。

 

 2  前項の規定は、自衛権の発動を妨げるものではない

 

(国防軍)

第9条の2  我が国の平和と独立並びに国及び国民の安全を確保するため、内閣総理大臣を最高指揮官とする国防軍を保持する。 3 国防軍は、第一項に規定する任務を遂行するための活動のほか、法律の定めるところにより、国際社会の平和と安全を確保するために国際的に協調して行われる活動及び公の秩序を維持し、又は国民の生命若しくは自由を守るための活動を行うことができる。

 

(領土等の保全等)

第九条の三  国は、主権と独立を守るため、国民と協力して、領土、 領海及び領空を保全し、その資源を確保しなければならない。 

 


(文中の字体の色は、わかりやすくするために強調しています)

<ポイント> 

 

第2章は、自民党案ではもはや「戦争放棄」ではなく「安全保障」になってます。

 そして、第9条の2「国防軍」第9条の3「領土等の保全等」が書き加えられています。

 

・「第9条」の1項で「戦争放棄」は残されていますが、2項では自衛のための戦争はできるとしています。

 

・「第9条の2」では自衛隊ではなく「国防軍」を明記し、さらに自衛の戦争だけではなく国際的な活動(例えばアメリカが始める戦争)に参加できるとしています。

 

・「第9条の3」では、国を守るために、国民を動員して戦争することも示唆されています。

 

➡︎要するに、憲法9条の戦争放棄とは文言だけで、実際には軍隊を持ち戦争できる国になってしまいます。

 

先の戦争で大きな犠牲のあとにつくられた、76年間わたしたちの平和を守ってきてくれた、憲法が変えられようとしています!

 


2023年11月24日

自民党の憲法改正草案と比べてみよう!(前文)

11・5吉江先生の憲法学習会より(3)

 

 日本国憲法を変えることをねらっている自民党は、2012年に憲法改正(改悪?)草案を発表しています。

学習会では、現在の憲法自民党改憲草案も比べて説明してくださいました。

まずは『前文』から見てみましょう! 並べてみると、違いがクッキリ。

<二つの比較> 

現行の国憲法(1947年5月3日施行)

「前文」

 

日本国民は正当に選挙された国会における代表者を通じて行動し、われらとわれらの子孫のために、諸国民との協和による成果と、わが国全土にわたって自由のもたらす恵沢を確保し、政府の行為によって再び戦争の惨禍が起ることのないやうにすることを決意し、ここに主権が国民に存することを宣言し、この憲法を確定する。そもそも国政は、国民の厳粛な信託によるものであつて、その権威は国民に由来し、その権力は国民の代表者がこれを行使し、その福利は国民がこれを享受する。これは人類普遍の原理であり、この憲法は、かかる原理に基くものである。われらは、これに反する一切の憲法、法令及び詔勅を排除する。

 

日本国民は恒久の平和を念願し、人間相互の関係を支配する崇高な理想を深く自覚するのであつて、平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して、われらの安全と生存を保持しようと決意した。われらは、平和を維持し、専制と隷従、圧迫と偏狭を地上から永遠に除去しようと努めてゐる国際社会において、名誉ある地位を占めたいと思ふ。われらは、全世界の国民が、ひとしく恐怖と欠乏から免かれ、平和のうちに生存する権利を有することを確認する。

 

われらは、いづれの国家も、自国のことのみに専念して他国を無視してはならないのであつて、政治道徳の法則は、普遍的なものであり、この法則に従ふことは、自国の主権を維持し、他国と対等関係に立たうとする各国の責務であると信ずる。

 

日本国民は、国家の名誉にかけ、全力をあげてこの崇高な理想と目的を達成することを誓ふ。

 

 

自民党による憲法改正草案(2012年)

「前文」

 

日本国は、長い歴史と固有の文化を持ち、国民統合の象徴である天皇を戴(いただ)く国家であって、国民主権の下、立法、行政及び司法の三権分立に基づいて統治される。

 

我が国は先の大戦による荒廃や幾多の大災害を乗り越えて発展し、 今や国際社会において重要な地位を占めており、平和主義の下、諸外国との友好関係を増進し、世界の平和と繁栄に貢献する。 

 

我が国は先の大戦による荒廃や幾多の大災害を乗り越えて発展し、 今や国際社会において重要な地位を占めており、平和主義の下、諸外国との友好関係を増進し、世界の平和と繁栄に貢献する。 

 

国民は国と郷土を誇りと気概を持って自ら守り、基本的人権 を尊重するとともに、和を尊び、家族や社会全体が互いに助け合 って国家を形成する。 

 

我々は自由と規律を重んじ、美しい国土と自然環境を守りつつ、教育や科学技術を振興し、活力ある経済活動を通じて国を成長させる。

 

日本国民は良き伝統と我々の国家を末永く子孫に継承するため、 ここに、この憲法を制定する。


<ポイント> 

まず第一に、主語を見てみると・・・

自民党改憲案では「日本国は」そして「我が国は」から始まっていますね。

国民よりも、国家が上に来るのですね!

 

★そして、正当に選挙された国会ではなくて、「天皇を戴く国家」となります。

 

★また先の戦争は過去のものとなり、戦争の反省と不戦の決意は消し去られています

 

★世界中の人々とともに平和に生きていける社会を追求していくことよりも、愛国心を持って国家・国土・家族・社会を自ら守ることと、国を経済成長させることを国民に求めています。

 

★主権在民と国民の福利、戦争放棄、世界の平和と平等、という理想を達成するためではなく、

日本の伝統と国家を子孫に継承するために憲法を制定するということです。

要するに・・・

 

<現憲法> 

先の戦争への深い反省を土台に、恒久の平和と一人ひとりの幸福を追求する国際社会の一員として、私たちが主権者であることを自覚し、わたしたち国民の信託によって理想の社会を実現していくことを目的とした憲法。

国民が自由と幸福を享受し、世界の平和と新しい社会をひらいていくことを目指した憲法。

 

<自民党案> 

先の戦争は終わったこととしてその反省と責任はほうむり去り、国際社会における今の地位を守ること。

天皇が統治する国家の国民として、「国」を守り経済発展することを国民は自らの責務とし、日本の伝統社会と国家を継承していくことを目的とした憲法。

個人の幸せや世界の平和よりも、国家体制を維持していくことを目指した憲法。

 

と解釈してみましたが・・・皆さんはどのように感じましたか?


2023年11月18日

★憲法の主語は私たち!

11・5吉江先生の憲法学習会より(2)

 ◎「淡路九条の会」主催の憲法学習会(講師:吉江仁子先生)で学んだことを、少しずつご紹介していきます。

(こちらの解釈も含まれていますがご了承ください)

 

 先生は、日本国憲法の『前文』を、「英語対訳」そして「自民党改憲草案」とも対比して説明してくれました。

(「前文」とは日本国憲法の条文の前にある文章で、趣旨や基本原則について記している(Wikipediaより)ものです。)  

 

まずは、日本語の前文と英語の前文を見てみてください。(下の方に掲載しています)

 

★日本国憲法の主語は、「日本国民」そして「われら」となっていますね。

★英語対訳で見ると、「We, the Japanese people」そして「We」と表現されています。

 

憲法の主語は「We」=「私たち(国民)」なのですね!

日本国憲法は、私たちが決意し、宣言し、制定しているもの、となります。

 

主人公は私たちであり、「政府」や「国」や「天皇」なのではありません。

 

私たちが主権者として

私たちの権利と自由と暮らしを守り、

恒久の平和と理想、全世界の人々とともに幸せに生きる権利を追求し、

達成していくことを宣言した、

私たちの憲法です!

 

そして、国民の代表者はこれ(憲法)を守らなければなりません。

 

 

(※文中の字体の色は、見やすくするためにこちらで強調しました。)


2023年11月9日

★憲法は、リーダーを縛るもの!

11・5吉江先生の憲法学習会より(1)

◎「淡路九条の会」主催の憲法学習会(講師:吉江仁子先生)で学んだことを、少しずつご紹介していきます。(こちらの解釈も含まれていますがご了承ください)

 

憲法」は、国のリーダー(政治を担う国会議員など)が、国民を従わせるためにあるのではなく、

 国民の平和と自由で豊かな暮らしを守るために、国のリーダーを従わせるものです。

 

リーダーが決めるルールは「法律」

そのリーダーを縛るルールが「憲法」

 

憲法は国の「最高法規」

(憲法は国の法規の中で最高の位置にある法規であり、憲法に反する法律は作れません。)

 

国民の権利を守るために、この憲法に従うよう「国の権力者に対して命令」しているのが憲法です!

 



2023年11月9日 

 

11月5日淡路九条の会の憲法学集会がありました

 

 講師は、弁護士の吉江仁子先生。「*あすわか兵庫」の事務局長もされています。先生のお話で、日本の防衛政策を大きく変える「反撃能力」と「安保3文書」の問題点について、憲法がないがしろにされていること、現憲法と自民党改憲草案の対比、などたくさんの大事なことを学ぶことができました。その中でも印象に残ったことについて、少しずつご紹介できればと思います。

 

*「あすわか」・・・「明日の自由を守る若手弁護士の会」

憲法の基本知識や自民党の日本国憲法改正草案の危険性を広くつたえる、若手弁護士有志の会です。


2023年11月3日

 

★井上ひさしの 子どもにつたえる日本国憲法(朗読)

 

 平和憲法の精神を示している「前文」と「第9条」を作家の故・井上ひさしさんが、子どもさんにも分かる言葉になおしています。動画では、いわさきちひろさんのやわらかな絵とともに、優しく伝わってきます。

井上ひさしさんは『(憲法)九条の会』の呼びかけ人でもあります。



2023年11月3 

 

憲法公布から77年!

  

 憲法記念日といえば「5月3日」ですが、その半年前の「11月3日」に、日本国憲法は公布されました。

(1946年11月3日に公布、1947年5月3日から施行されました)

 

日本国憲法といえば「平和憲法」とも言われますね。

『前文』には先の戦争への反省が込められ、戦争を放棄した『第9条』を持ちます。

 

現在、こんなことがあっていいのかと信じられない残酷な行為が戦争の名の下で行われています。

何もできず見ているしかできない、無力感におちいりそうになりますね。

 

でも、私たちには憲法9条があります。

大変な戦争の犠牲と苦しみ悲しみの上にやっと作られた、世界にただ一つの宝物のような憲法です。

 

その憲法と平和を守りぬいてきたから今があります。

今、日本に生きる私たちが手にしているもの、

日本の私たちにしかできないこと、私たちの役割、

とくべつではなくても、きっと一人ひとりのできることがあると思います。

 

私たちにできるやり方で、世界に平和を広げ、戦争のない世界へ向けていきたいですね。


2023年10月18日

ホームページにお寄せいただきましたご意見・質問をご紹介させていただきます。 

匿名希望さんより(南あわじ市・高校生)

⭐️チラシの感想・・・戦争についての記事を読み、戦争はとても怖くてできればしなくて済むことを望みます。戦争について小学校の頃から学習はしています。ですが、戦争は自分とは関係のないことだと心の中で思っていたきがします。ですが、人ごとではないと考えて自分にもできることは何か、考えていきたいです。

⭐️平和について・・・安心して暮らせる、当たり前に朝が来ること

淡路革新懇より

初めてメッセージをいただきとてもうれしかったです。正直な気持ちを書いてくださり、また「自分にもできることは何か考えていきたい」という言葉にすごく励まされました。「安心して暮らせる、当たり前に朝が来る」そんな大切な日々を戦争で奪われるのはあまりにも悲しく残酷ですね。

日本政府は「平和を守るため」と軍拡を進めているのですがそれは「戦争の準備」になっています。武器で平和は守れず暴力の連鎖が拡大していくことは、ウクライナやパレスチナの現状が教えてくれています。決して戦争にならないよう平和外交に力を尽くすことが政府の仕事だと思うのです。そして戦争を止めることができるのも、平和を作っていくのも、私たち国民一人ひとりが持っている力を合わせることで実現していけるものと思います。

高校生の皆さんはたくさんの可能性の種を持っていますから、これからじっくり育て、学び、考え続けていくことで、きっといつか自分らしくできることを見つけられていることと思います!安心して暮らせる平和な世界のために、ともに学び考えていけたらうれしいです。また淡路革新懇のHPを見ていただけたら幸いです。ありがとうございました。

 


2023年10月18日

★おしえてうしくんの「おすすめ読書グッズBEST3」

 

 またまた、おしえてうしくんです!(f^_^;)

パーソナリティーの3人が、読書するときに使っているおすすめグッズを紹介していますが、とても楽しく、参考になります!

本が読みたくなるかも!?

勉強が楽しくなるかも!?しれませんよ。



2023年10月18日 

 

世界の情勢ーイスラエルとパレスチナー

 

 ハマスとイスラエルの戦闘が始まり、双方に大変な被害と犠牲者が出ています。

とりわけガザ地区の人々が深刻な人道危機に直面していると報道されています。

皆さんもネットなどで情報を目にし、心を痛めていることでしょう。

今この時代になって、なぜまだこのようなことが起こるのでしょうか。

私たちが真剣に考えていかなければ、またどこかで繰り返されてしまいます。

一緒に考えていきましょう。

一時も早く停戦し、命が守られることを切に願います。


2023年9月15日

★「おしえて!うしくん」憲法のおはなし

 

 

 「おしえてうしくん」は、SEALDs(自由と民主主義のための学生緊急行動)のメンバーとして活動していた牛田さんとその仲間が発信する、社会の問題をわかりやすく楽しく学べるYouTube番組です。最近は哲学の話に及んでいます。まずは憲法の話がおすすめです!日本の憲法はすごいんだなあ。

 

※YouTubeのリンクは違法とはならないため、ご紹介させていただきます

 

 

 

憲法#1 [ 憲法をダンスする!? ]

憲法は「あなたに自由に生きて欲しい」というメッセージ!

 

 

 

憲法#2 [次はわたしの番 ]

自由のための戦いは終わらない!憲法は権力の暴走を防ぐための盾!

 

 

 

憲法#3 [ 憲法が壊される? ]

超ド級にめちゃくちゃな自民党改憲草案



2023.9.15勝手に紹介させていただきます

「日本中学生新聞」

こんなサイトがありました!なんと中学1年生の川中さんが一人で始めた“民主的読み物”とのこと。「大阪都構想」をきっかけに政治に関心を持ったそうですが、学校で政治的な話をしたとき先生におこられ、自分で新聞を発行することにしたそうです。

 

夏休みに政党の本部を直撃訪問したり、大胆な行動力と発信力に、驚嘆です。大人でもなかなかできません・・・。ですが、自分なりのやり方で、興味のあることを表現したり発信できたら、楽しいだろうな。

 

こちらのサイトです⬇︎

日本中学生新聞note

 


2023年9月

「高校生の皆さんへ」チラシを配布させていただきました

 

 島内の5つの高校の校門前で、登校中の生徒さんにチラシを配らせていただきました。今回は、平和な世界をともに作りましょうと呼びかけるチラシとなっています。お読みくださり、感想や質問などお寄せいただけたらうれしく思います。



☆2023年9月15日 より淡路革新懇のホームページがスタートしました